概要

Always-on(AO)は、モバイルやIoTなどの端末機器が周囲環境の変化やその内容を認知することで、情報の意味に基づいた自律的なユーザーインターフェースを実現するためのセンシング技術です。

AOイメージセンサーは、写真や動画撮影用の高解像度を備えたイメージセンサーに、AOの動作・機能を実行する専用モードを搭載しています。

イメージセンサー自体が省電力であるだけでなく、外部プロセッサーによる情報処理負荷を抑えることができるため、バッテリーライフを大幅に延長した常時センシングアプリケーションを実現できます。

技術解説

超低電力センシング駆動

写真撮影動作とは異なり、常にカメラを起動する必要がある常時センシングは、いわば「待ち受け動作」にあたります。ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)のAOイメージセンサーは、たとえば「人がいる」というシンプルな情報を無駄な電力消費なく検知できるよう、画素、回路と信号処理を組み合わせた以下の駆動技術を取り入れています。

①フレキシブルな画素加算と検知シーケンス

人の視覚と同様、シーンを理解するために必要な解像度は段階に応じさまざまです。SSSのAOイメージセンサーは画素加算を利用して解像度を変えながら、自律的に目的の被写体を発見することができます。

フレキシブルな画素加算と検知シーケンスのイメージ図

フレキシブルな画素加算と検知シーケンス

②パワーゲートシステム

半導体回路は待機状態であっても電力を消費しますが、AOイメージセンサーはシステム負荷に応じて動的に電源の制御を行うことで、目的の撮像とデータ処理に最適化されたレベルに消費電力を抑制します。

パワーゲートシステムのイメージ図

パワーゲートシステム

独自のAIエンジンと軽量な画像推論システム

画素から読み出したRAWデータを直接処理することで、イメージセンサー上で映像を"意味"の情報へと圧縮し、出力することが可能。これにより、通信や電力など端末全体への負荷を大幅に低減します。また、省電力でありながらリアルタイムかつ確実な被写体の検知を実現します。

*1) 対応する機能(検知対象となる被写体)は個々の製品仕様により異なります

独自のAIエンジンと軽量な画像推論システムのイメージ図
センシングモードで認識可能な画像情報の例のイメージ図

センシングモードで認識可能な画像情報の例*1

活用事例

フロントカメラでの画面ロック制御

AOを活用すれば、端末がスリープ中でもユーザーが画面を見ていることを検知し、自動で端末を起動。スクリーンがOFFにならないようタップし続けるストレスから解放されます。

これにより、本人識別を実行する短時間だけメインプロセッサーを起動することが可能になり、バッテリーを長持ちさせることができます。また、ユーザーを感知しなくなったら自動的に待ち受け画面に切り換えることもできます。

フロントカメラでの画面ロック制御のイメージ図

フロントカメラでの画面ロック制御

ハンズフリーでの端末操作

キッチンや洗面所など、端末に触れられない場面や、共有機器を非接触にしたいときにはカメラを使ったジェスチャー操作は有効な解決策となります。AOではユーザーによる動作を検知し、待機状態のシステムをいつでも起動することを可能にします。

*) 本内容はモバイル向けに想定される可能性であり、SSS製イメージセンサーの仕様ではありません。

2次元バーコード検知によるアプリ起動

ナビゲーション(地図)や、決済アプリなどで広く活用される2次元バーコード。AOは、端末がスリープ中でもカメラの視界にバーコードをかざすだけで自動で端末スリープを解除し、アプリケーションを起動させることが可能です。都度端末を触ってロック解除をする必要がないため、ユーザーインターフェースの改善に貢献します。

*) 本内容はモバイル向けに想定される可能性であり、SSS製イメージセンサーの仕様ではありません。

2次元バーコード検知によるアプリ起動のイメージ図

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