マルチチャンネルVCSELアレイソリューションのメインビジュアル
技 術
半導体レーザー

マルチチャンネルVCSEL
アレイソリューション

概要

2次元アレイ化が容易なVCSELの特徴を生かし、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)では産業用、コンスーマー用ともに幅広くアレイ化ソリューションの展開を試みています。すでにレーザープリンタ向けには、世界初*1の赤色波長帯の32ch-VCSELアレイを製品化しており、他を圧倒する高速・高精細オンデマンドプリンタに搭載されています。

また昨今、スマートフォン用にさまざまなアプリケーションが開発されていますが、SSSは用途に応じた様々VCSEL関連の技術開発を行っています。発光素子だけの開発に留まらず、レーザードライバや光学素子、またモジュール部隊との連携を通じて、SSSならではのセンシングソリューションに貢献していきます。

近い将来におけるセンシング用途の拡大に備え、車載用のLiDARやドライバーモニター用機器への横展開も視野にソニーグループ R&Dセンターとの連携を密に開発を行っています。

*1) 2014年4月ソニー調べ。

Sony 3Dセンシングトータルソリューションのイメージ図
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Sony 3Dセンシングトータルソリューションのイメージ図

技術解説

32ch 偏光制御型シングルモードアレイとレーザードライバソリューション

「偏光制御型赤色シングルモードVCSELアレイ」は、32個のエミッターを持ち、それらすべての偏光方向が一方向に制御され、かつシングル横モードで動作します。また、SSS独自のレーザードライバを用いたソリューションによって温度特性の課題を克服したことにより、レーザープリンタ向けに発振波長680nmの赤色波長帯面発光レーザを世界で初めて量産しました。

680nm帯 32ch偏光制御・シングルモードVCSELアレイ

32ch-VCSELアレイの画像
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32ch-VCSELアレイの画像
偏光子角度に対する光量変化の32chの重ね書きの図
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偏光子角度に対する光量変化の32chの重ね書きの図
ILVカーブの32ch重ね書きの図
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ILVカーブの32ch重ね書きの図
FFPの32ch重ね書きの図
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FFPの32ch重ね書きの図
スペクトラムデータのグラフ
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スペクトラムデータのグラフ

赤色波長帯のVCSELは、素子に用いられる材料特性に起因してキャリアーオーバーフローが大きいことが特徴です。そのため、矩形パルスで電流駆動させた場合でも光応答が追従せず、鈍った光波形を示すことが知られています。低温低出力では、徐々に光出力が増加する逆ドループの光波形が観察され、一方、高温高出力では、自己発熱の上昇に伴い、光出力が下がるドループが観察されます。どちらの波形も画質の劣化を招くので、光波形を矩形波する必要があります。 SSSは「活性層温度予測型VCSELドライバ」を導入することで、これらの課題を克服しました。文字通り、VCSELの活性層温度を予測しながら、最適な補正電流をVCSELに投入するというレーザードライバです。活性層温度を予測するには、VCSELチップの環境温度を知る必要がありますが、SSSは初めて*2温度検出素子をVCSELに内蔵。また、詳細な活性層温度は、自己発熱を考慮する必要があるので、VCSELの熱回路モデルをドライバに組み込むことで、活性層温度予測を可能としました。図に示すように、活性層温度に応じた最適な補正電流を投入することで、鈍っていた光波形が矩形波しているのが分かります。

レーザードライバによるVCSELの光波形補正

32ch-VCSELアレイの画像
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32ch-VCSELアレイの画像
温度センサ素子とVCSELセミッターの画像
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温度センサ素子とVCSELセミッターの画像
活性層温度予測と補正電流生成までのイメージ図
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活性層温度予測と補正電流生成までのイメージ図
低温低出力時の光波形補正の画像
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低温低出力時の光波形補正の画像
高温高出力時の光波形補正の画像
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高温高出力時の光波形補正の画像

*1) FFP(Far Field Pattern)をガウシアン形状にする。
*2) 図8の"VCSEL based Thermo-Sensor"が温度検出素子に相当。光出射しないダイオード素子の電流-電圧温特を温度計として利用している。

マルチジャンクションVCSEL

スマートフォンやゲームなどで用いられる距離画像センサーは、今後のさらなる測距距離拡大と測距精度向上が求められています。こういった進化を実現する技術の一つがVCSELのマルチジャンクション化です。これは複数のレーザーダイオードをトンネルジャンクションを介して直列に接続することで実現できますが、すぐれたエピタキシャル成長技術とデバイス設計技術が必要となります。

SSSが開発中の3つの活性層を搭載したマルチジャンクションVCSELでは、スロープ効率がシングルジャンクションのちょうど3倍になることが確認できており、さらに、電流ー電圧特性に関してもダイオードのビルトインが乗る程度で、シリーズ抵抗の上昇が極めて小さいことが確認できています。SSSでは今後、高耐圧化したVCSELドライバとの組み合わによって、高光出力駆動(長距離測距)と高速パルス応答(すぐれた測距精度)をモバイルセンシングにて実用化することをめざしています。

Single Junctiontと Multi Junction VCSELの比較図
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Single Junctiontと Multi Junction VCSELの比較図

3つの活性層を直列接続するために、2つのトンネルジャンクションをキャビティ内に挿入している。

I-LとPCE比較図
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I-LとPCE比較図

トリプルジャンクション化することで、SEが3倍になっていることが分かる。また、WPEも8Wで50%を超えている。

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