概要
SLVS-EC(Scalable Low Voltage Signaling with Embedded Clock)は、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)が開発した多画素高速イメージセンサー向けの高速インターフェースです。シンプルなプロトコルのため、容易にカメラシステムが構築できます。また、エンベデッドクロック方式を採用しているため、高速性・レーン数の削減・長距離伝送が求められるアプリケーションに最適です。SSSは、SLVS-ECに対応した製品を多数そろえ、多画素高速化が進む産業用イメージセンサーの主要なインターフェースとして、新たな製品を開発すると共に、SLVS-ECの普及を積極的に進めてまいります。
実効データレート60Gbpsの構成例
技術解説
高速性
多画素かつ高速なイメージセンサーをピン数やパッケージサイズを増やすことなく実現可能です。最大12.5Gbps/laneまで(2024年11月時点)対応しているため、高解像度や高フレームレートの画像を効率的に転送できます。また、高いデータレートを生かすことで、同じデータ量を送るのに必要なレーン数を削減することが可能です。これにより、インターフェースの接続が簡素化され、設計が容易になります。
長距離伝送
SLVS-ECはエンベデッドクロック方式を採用しているため、ほかのクロック同期が必要なインターフェースに比べて、長距離でのデータ伝送に適しています。たとえば、5Gbps/laneで使用した場合、適切なケーブルなど部品を選定して設計することで5メートルの伝送も可能です。そのため、イメージセンサーとFPGA/DSPなどの間の距離を延長することができ、高速インターフェースのシステム設計の柔軟性が高まります。
マルチレーン機能
イメージセンサーとFPGAまたはDSP間の接続構成の自由度が高いため、さまざまな使い方ができます。
マルチインターフェース
SLVS-ECの基本の構成は1~8レーンですが、これを複数搭載することにより、高速のデータ転送が可能になります。
*1) 9.5Gbps/laneの場合。
マルチセンサー
複数のイメージセンサーからのデータを1つのFPGA/DSPで受信することにより、多眼カメラなどの用途に使うことができます。複数のセンサーを使用して、広い視野を高解像度で撮影するシステムにも活用が可能です。クロックレーンがなく、また等長配線が不要のため、センサーを自由に配置することができます。
マルチストリーム
複数の種類の画像を1つのイメージセンサーから同時に出力することが可能です*2。
*2) マルチストリーム機能は、民生用カメラ向けセンサーに実装されています。(2020年11月時点)
例) 全画素 動画 + Full HD 静止画 等
実装容易性
産業用カメラに広く使われているFPGAなどへの接続が可能です。
エンベデッドクロック方式のため、レーン間スキューを調整する必要がなく、基板のアートワークが容易です。また、プロトコルがシンプルなため実装しやすいです。
SLVS-EC規格について
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SLVS-EC規格は、日本インダストリアルイメージング協会(JIIA)で、標準化を行っています。
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*) SLVS-ECおよびそのロゴは、ソニーグループ(株)またはその関連会社の登録商標または商標です。
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