概要
ToF(Time of Flight)方式距離画像センサーは、XY方向の画像取得のみならず、Z方向の情報取得、つまり"三次元空間としてのセンシング"が可能です。これによって体積や立体形状を基にした検査、物の重なり判別など、従来の2D画像では判定が難しかった検査用途にもお使いいただけます。また、自動制御や衝突回避などの相対距離をリアルタイムに利用するアプリケーションへの展開も可能です。
産業機器分野では、製造ラインや物流システムをはじめ、農業や畜産のスマート化など、多くのアプリケーションで自動化・省人化の動きが急速に広がっています。小型で三次元情報を瞬時に取得できるToF方式距離画像センサーは、高まる認識・計測・自動化などのニーズに適したセンサーとして、多種多様な領域・用途での活用が期待されています。
技術解説
二種類の方式
ToF方式距離画像センサーは、レーザーやLEDといった発光源からの光を対象物に照射し、その反射光をセンサーで検出するまでの時間差を利用して対象物までの距離を測定します。
ToF方式には大きく2種類あります。反射光を検知するまでの時間差をシンプルに計測するDirect ToF 方式(dToF)と、反射光を蓄積して発光との位相差を検出することで距離を測定する Indirect ToF方式(iToF)です。IMX556/IMX570などの当社製品は、Indirect ToF方式を採用しており、特に近~中距離を得意とした高速かつ高解像度の3D情報を取得できます。
正確で安定した高性能測距技術
ToF方式距離画像センサーは、画素ごとに距離情報を検出し、高精度な距離画像を取得できます。遠距離から近距離にわたってさらなる精度向上を図るためには、反射光を効率よくとらえるとともに、より高速に距離測定の処理を行う必要があります。そこで、反射光を高精度で検出する画素技術に、裏面照射型CMOSイメージセンサーの高感度かつ低ノイズ、配線層の多層化等による高速な画素技術を活用しました。集光効率の向上と測距のための高速な処理を可能にしたことで正確かつ安定的な高性能測距技術を実現しています。
活用事例
物流における各種自動化
パレットや荷物の位置、サイズ、充填率の計測によるマテリアルハンドリングの効率化、AGV(無人搬送機)/AMR(自律搬送ロボット)やラストワンマイルロボットなどの移動体の衝突検知や外界状況認識など、ToF方式距離画像センサーならではのさまざまな用途で自動化に寄与することができます。
関連する分野
ファクトリーオートメーション
充填度による欠品管理、ロボットピッキングのための対象物位置検出などの自動化、現場作業者の作業モニタリングによる工程効率改善、危険区域への侵入検出による安全性担保など、さまざまなアプリケーションに活用できます。
関連する分野
商業・公共施設での人認識
畜産・農業における収穫の支援
乳牛の自動搾乳、家畜の体形や歩き方、消費される飼料量などをモニタリングすることにより品質管理・生産性向上に活用できます。農業分野では、三次元ピッキングによる果実の自動摘果・収穫や、周辺の三次元モニタリングによる農機具の自動運転などに寄与できます。
関連する分野
土木工事の支援
周辺状況のモニタリングによる運転者支援・自動化・安全性担保といった重機のICT化に活用できます。また、土木工事における土量や建設工事での施工状況、インフラの敷設状況などを三次元計測することによる工事状況の可視化や記録などへの活用も期待されています。
関連する分野
プライバシーに配慮したモニタリング
ToF方式距離画像センサーは人や物体を三次元情報として取得します。例えば介護施設においては、三次元情報を活用することにより、RGB画像を使うことなく、人物の存在や姿勢を正確に検知し、要介護者の転倒防止や事故の早期発見を可能にします。プライバシーに配慮した安全モニタリングへの応用が期待されています。
関連する分野
資料ダウンロード
ToF方式距離画像センサー搭載カメラリスト
ソニーのToF方式距離画像センサーが搭載されたカメラの一覧はこちらからダウンロードできます。
関連製品&ソリューション
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イメージセンサー
ToF方式距離画像センサー
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