概要
GVIF(Gigabit Video InterFace)はソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)が開発した、同軸・差動一対で伝送が可能なデジタルビデオインターフェース(SERDES)規格です。1997年当時、まだ多線によるアナログインターフェースが主流だった中、差動1対線のみでビデオ映像を高品質にデジタル伝送できるという画期的な商品として世に送り出しました。
その後、映画コンテンツなどの映像を伝送するための著作権保護機能をいち早く搭載するなど、業界をリード。現在では、車載のインフォテインメント・ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems/先進運転支援システム)などで広く使用されています。
技術解説
高速・大容量・自由度の高い伝送を実現する技術
多様なケーブル・コネクタに対応
差動1対のSTPケーブルだけでなく、同軸ケーブルにも対応しています。長く細いケーブルや中継コネクタにより信号は大きく減衰しますが、適応型ケーブルイコライザーにより最適な通信品質を維持した伝送が可能です。また、EMCを抑え、イミュニティ耐性を高めました。
独自プロトコルによる多重伝送・Daisy Chain接続への対応
独自プロトコルにより、映像データだけではなく、音声データも伝送でき、さらにI2C・SPI・UART・GPIOなどの通信も、映像・音声データとは独立に全二重双方向で伝送可能です。
また、従来のピア・ツー・ピア接続に加え、Daisy Chain接続への対応を広げています。単純にデータをリピートするだけではなく、映像データを重畳したり削除したり、映像データをより自由度高く伝送することができます。
適応型ケーブルイコライザー
等化波形の振幅を観測することにより、ケーブルの長さ・減衰率にかかわらず最適な波形が再生できます。また、受信端にあるAGC回路を通すことにより、減衰してしまったシグナルの修正が可能となります。
さらに、適応等化技術によりケーブル長に応じた調整が不要です。
Data Rate 4.8Gbps | ||
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Cable Length | 2m | 10m |
Before Equalize | ||
After Equalize |
高雑音耐性
GVIF LSIは、リピーター接続のように多段で使用されることを考慮し、クロックジッターや電源ノイズに強い回路構成となっています。
・外部入力画像取り込みのためのクロック入力段にFIFO回路
・LSI内部の高速信号が通る回路はすべて差動回路
低輻射ノイズ
EMIに関しては、国際無線障害特別委員会(CISPR) が作成した規格CISPR 25 Ed. 3.0:2008 「車両、小型船舶及び内燃機関-無線妨害特性-搭載受信機の保護のための限度値及び測定方法」が定めるところであるクラス5を満足する結果を得ています。
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