解決提案
産業用イメージセンサー

食品製造時の毛髪検出 SWIRイメージセンサーの活用

用途:食品製造業

はじめに

食品製造業界では、消費者の安全と品質を確保するために、厳格な衛生管理が求められています。中でも、加工食品の製造工程においては、毛髪などの異物の混入が重大な問題であり、製品の信頼を失う原因にもなりかねません。近年食品業界では、異物検出技術の導入が進んでいますが、SWIR(短波赤外線)イメージセンサーを用いて、食品に混入した毛髪を高い精度で検出することができます。このセンサーは、毛髪の特性をとらえるのに適しており、可視光では検出が難しい異物を非接触で高精度に識別することに有効です。
実際の撮像事例を用いて、ソニーのSWIRイメージセンサーの毛髪検出への活用例をご紹介します。

食品製造のイメージ画像

課題

加工食品製造において、目視検査や一般的なセンサーでは微細な毛髪を見逃す可能性があり、製品の品質を保証するには不十分な場合があります。また、製造ラインのスピードや製造量が増加する中で、迅速かつ正確な検出が求められています。

ソリューション

ソニーのSWIRイメージセンサーは、可視光から短波長赤外(SWIR/Short-Wavelength InfraRed)領域の光をとらえるセンサーです。
毛髪はSWIR波長の光をよく反射する性質があるため、SWIRカメラで撮影すると明るく映ります。一方で、水分を多く含む食品は1450nmの波長の光を吸収するため、SWIRカメラで撮影すると暗く、もしくは黒く映ります。このように、毛髪と食品の見え方にコントラストが生まれることで、食品中に混入した毛髪を明確に識別できるようになります。さらに、独自の技術SenSWIR(センスワイア)を搭載したソニーのSWIRイメージセンサーなら、高感度と高解像度を両立しているため、細い毛髪もクリアに映し出すことができます。

【撮像事例】

以下の撮像事例は、可視光カメラとSWIR(短波長赤外)カメラで加工食品を撮影し、比較したものです。SWIRカメラには、食品内の水分を吸収しやすい波長の光をとらえるため、1450nmのバンドパスフィルターを装着しています。

レーズンに混入した毛髪の検出例

バーを動かして画像を比べてみましょう

「レーズンに混入した毛髪の検出例」にてSWIRで撮影した画像
「レーズンに混入した毛髪の検出例」にてカラーカメラで撮影した画像

左:一般的なカラーカメラで撮影
右:SWIRで撮影(1450 nm)

多数のレーズン(類似色)に紛れた毛髪の撮像例です。カラーカメラの画像は、毛髪がレーズンと同化し見えづらいです。一方、SWIRイメージセンサーの画像では、毛髪がはっきり白く映り、その存在をしっかり確認することができます。

弁当に混入した毛髪の検出例

バーを動かして画像を比べてみましょう

「弁当に混入した毛髪の検出例」にてSWIRで撮影した画像
「弁当に混入した毛髪の検出例」にてカラーカメラで撮影した画像

左:一般的なカラーカメラで撮影
右:SWIRで撮影(1450 nm)

カラーカメラでは食材に紛れて識別できなかった毛髪が、SWIRカメラで撮影した画像では、SWIR波長域で強く反射し白く映ります。また、食品内の水分が1450nm付近の波長の光を吸収して黒く映るため、そのコントラストによって毛髪を検出することができます。

コロッケに混入した毛髪の検出例

バーを動かして画像を比べてみましょう

「コロッケに混入した毛髪の検出例」にてSWIRで撮影した画像
「コロッケに混入した毛髪の検出例」にてカラーカメラで撮影した画像

左:一般的なカラーカメラで撮影
右:SWIRで撮影(1450 nm)

カラーカメラの画像では、コロッケに溶け込んで見えなかった毛髪も、SWIR波長で撮影すると強く反射し、コロッケの表面から際立って白く映ります。

【展望】

本ページでは、3つの加工食品を例に、SWIRイメージセンサーがどのように毛髪を検出できるかを実例を通じて紹介しました。1450nmの波長を利用することで、紹介した食品以外にもさまざまな食品で同様に毛髪を検出することが可能です。
SWIRイメージセンサーの優れた点は、可視光では見つけにくい毛髪を、その特性を生かして高精度で識別できることです。この技術を食品業界のさまざまな製品に応用することで、製造過程での衛生管理が強化され、結果として、消費者に安全で信頼性の高い食品の提供につながることが期待されています。

SWIRイメージセンサーや、その活用にご興味のある方は、お問い合わせフォームより是非お問い合わせください。
また、SWIRイメージセンサー搭載のカメラリストは、こちらからダウンロードできます。

SWIRとは

一般的に、波長が400nm~780nmの光を可視光、780nm~106nmの光を赤外線と呼びます。SWIRの波長帯域は900nm〜2500nmとされ、赤外線の中で最も可視光に近い波長帯です。SenSWIR技術搭載のイメージセンサーは、SWIR光だけでなく、可視光を含む400nm-1700nmの広帯域撮像が可能です。

SWIRの説明の図

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短波長赤外イメージセンサー技術SenSWIRの詳細をご紹介します。

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