高速処理・高解像度・Cマウント対応グローバルシャッターイメージセンサー 1.2型約2455万画素 IMX925/IMX935 1/1.1型約1241万画素 IMX926/IMX936 | 製品・ソリューション

概要

IMX925/IMX926は、産業用途で広く使用されるCマウントレンズに対応し、有効約2455万画素/1241万画素の高解像度と、高速読み出しを両立したグローバルシャッター方式のイメージセンサーです。
ファクトリーオートメーション（FA）の進展により、電子機器製造などの大量生産が求められる産業分野において、高速かつ高精細なAOI（Automated Optical Inspection:自動光学検査）の需要が高まっています。また、光切断やStructured light方式といった手法による三次元検査（3D-AOI）の市場も拡大しており、検査性能の向上が求められています。
当社の高速読み出し技術と2.74µmの微細画素を用いたこのセンサーは、精密機器などの汎用マシンビジョン検査における高精度化とフレームレート向上のニーズに応えるだけでなく、三次元検査を含む多様な高度な検査に活用できます。さらに、IMX925/IMX926と同じ解像度を持つIMX935/IMX936は、省電力性に優れており、環境への負荷を軽減するだけでなく、システム全体のコスト削減と効率化にも寄与します。小型で高性能かつ高フレームレートを併せ持つこれらのセンサーは、高付加価値イメージセンサーとして、産業用途におけるあらゆる検査・測定を支えていきます。

特長

24.5MP 394fps^*1の高速撮像、電力効率を約2倍改善

新たな回路構造を採用しているIMX925シリーズは、画素の読み出しやA/Dコンバーターまでのあらゆるセンサー駆動を高速化するために効率化されています。さらに内部信号処理の高速化や並列化を進めることで、同解像度の従来製品IMX530と比較して約4倍のフレームレート（24.5MP 394fps^*1）と2倍以上の消費電力効率を実現しました。さらに、IMX530と同様に小型かつ低ノイズ、集光効率が高い裏面照射型グローバルシャッター画素を採用、高速低消費電力のセンサーでありながら、高い画質特性を維持しています。

*1) 10bit出力時、2024年11月時点。

独自の画素構造Pregius Sによる微細化と、小型・高解像度の実現

IMX925/IMX935は、ソニー独自の裏面照射構造Pregius S搭載による2.74µmの微細画素により、Cマウントレンズに対応したサイズでありながら、1.2型イメージサイズ内で約2455万画素の多画素を実現。また、1/1.1型イメージサイズのIMX926/IMX936も約1241万画素であり、すべてのラインナップ製品が小型ながら高い解像度を備えています。グローバルシャッターにより歪みの無いクリアな撮像が可能となり、かつ積層構造によりさまざまな機能を実装しています。
コンパクトで高解像度を実現したIMX925シリーズは、高精細な撮像の実現はもちろん、カメラの小型化と高性能化が求められている多様なアプリケーションにおいて有効です。

最先端の高速・高精細撮像をサポートするインターフェース、機能を搭載

1-shot HDR（High Dynamic Range）機能

フレームレートや解像度を維持したままダイナミックレンジを拡大できる1-shot HDR機能を備えています。本機能は、ゴムなどの黒い物質や、金属など、反射率の異なる素材の撮影に有効です。

複数のビニングモード搭載

本製品は、縦（V）横（H）2 × 2ピクセル単位でのビニングに加え、縦横２×１、縦横１×２のビニングに対応しています。アプリケーションによって必要な方向の解像度を保ちつつ、感度向上や高速化を実現できます。

※Monochrome機種のみに搭載

特定色のみを間引く機能

青、赤、緑の特定色の画素のみを間引いて読み出すことが可能です。間引き撮像と全画素撮像を切り替えることで、カラー撮像と特定の波長の照射パターン撮影を１つのセンサーで両立することができます。

※Bayer機種のみに搭載

技術

グローバルシャッター技術Pregius™ / Pregius S™

この製品群に搭載されているグローバルシャッターの技術情報はこちらです。

高速インターフェース SLVS-EC™

この製品群に搭載されている高速インターフェースの技術情報はこちらです。

スペック

製品名	IMX925-AMJ/AQJ	IMX935-AMJ/AQJ	IMX926-AMJ/AQJ	IMX936-AMJ/AQJ
イメージサイズ	対角 19.3 mm（1.2型）		対角 14.0 mm（1/1.1型）
有効画素数	5328（H）× 4608（V）約2455万画素		4128（H）× 3008（V）約1241万画素
ユニットセルサイズ	2.74 μm（H）× 2.74 μm（V）
フレームレート（全画素読出し）	8bit: 442 frame/s(TBD) 10bit: 394 frame/s(TBD) 12bit: 212 frame/s(TBD)	8bit: 225 frame/s(TBD) 10bit: 200 frame/s(TBD) 12bit: 107 frame/s(TBD)	8bit: 660 frame/s(TBD) 10bit: 588 frame/s(TBD) 12bit: 318 frame/s(TBD)	8bit: 339 frame/s(TBD) 10bit: 302 frame/s(TBD) 12bit: 162 frame/s(TBD)
入力駆動周波数	37.125 MHz / 74.25 MHz
電源電圧	1.1 V、1.8 V、2.9 V、3.3 V
シャッターモード	グローバルシャッター
出力インターフェース	SLVS-EC 8×2/6×2/4×2 Lane 8/6/4/2/1 Lane	SLVS-EC 8/6/4/2/1 Lane	SLVS-EC 8×2/6×2/4×2 Lane 8/6/4/2/1 Lane	SLVS-EC 8/6/4/2/1 Lane
カラーフィルター	Monochrome/Bayer	Monochrome/Bayer	Monochrome/Bayer	Monochrome/Bayer
パッケージ	Ceramic Package（LGA） Size 24.5 mm × 21.4 mm
製品概要PDF	IMX925-AMJ (Monochrome) IMX926-AMJ (Monochrome) IMX925-AQJ (Color) IMX926-AQJ (Color) IMX935-AMJ (Monochrome) IMX936-AMJ (Monochrome) IMX935-AQJ (Color) IMX936-AQJ (Color)

TBD) 開発中のため、暫定値

活用事例

2D/3D AOI

三次元検査（光切断法）

三次元検査（Structured light方式）

ボリュメトリック（スポーツテクノロジー）

2D/3D AOI

産業分野におけるマシンビジョンの用途の1つである2D/3D AOIは、FAの進化に伴い、その重要性が増しています。さまざまな製造ラインにおいて広く利用されており、動体撮像や照明との同期に対応するためにグローバルシャッター方式イメージセンサーが適しています。特に電子機器製造など大量生産が求められる製造の現場では、より速く、かつ精密な高速AOIの需要が高まっています。IMX925シリーズは、24.5MPおよび12.4MPの高解像度と高フレームレートを兼ね備えており、高速な2D/3D AOIにおいて検査精度の向上に寄与します。

三次元検査（光切断法）

光切断法による三次元検査は、対象物にライン上のレーザー光源を照射し、その反射光をカメラで受光することで、計測対象物の高さ、位置、形状をプロファイル情報として非接触かつ高精度で取得する手法です。インライン検査や形状認識用途で採用が増えている光切断法でも、IMX925シリーズを活用できます。高フレームレートで歪みの無い撮像が可能なため、高精細かつスピーディに大量の画像を取得・処理することが求められる現場で、効率的な検査・生産をサポートします。また、3D精度を向上させるために、よりコントラストが必要な環境においてはビニングモードによる高感度撮像機能を利用することが可能です。
さらに、産業用途のカメラで最も普及しているCマウントのレンズに対応したイメージサイズのため、カメラシステム全体のコスト削減や小型化も期待できます。

三次元検査（Structured light方式）

Structured light方式による3D計測は、プロジェクターやレーザーなどの光源を使用して対象物に特定のパターンを投影し、撮影された画像から投影パターンの変形を解析することで高精度の3D計測をする手法です。産業分野においては品質管理や検査、ロボットピッキングなどに利用されるこの方式でも、IMX925シリーズが活用できます。高フレームレートかつ高解像度の撮像ができるため、短時間に広範囲の安定した3D計測を実現でき、検査時間の短縮やより精度の高い検査結果の取得が可能です。さらに、Cマウントレンズに対応したイメージサイズを備えるIMX925シリーズは、カメラシステムの小型化に貢献し、システム全体のコスト削減にも寄与します。

ボリュメトリック（スポーツテクノロジー）

スポーツのパフォーマンス向上やエクスペリエンスの向上を目的とした技術として、スポーツテクノロジーがあります。その中の技術にボリュメトリックがあります。3D空間での人物や物体の動きをとらえ、デジタルで再現するこの用途にも、IMX925シリーズが活用できます。
高フレームレートかつグローバルシャッター方式であるため、素早く動く被写体を高解像度で撮像し、動体ブレすることなく被写体の細部までクリアにとらえることができます。また、よりリアルで自然な3Dモデルを生成するためにも役立ちます。これは、アスリートの動作解析や、動作を再現する際の精度向上につながるだけでなく、視覚的なリアリティを増すことにつながります。