車載LiDAR用SPAD ToF方式距離センサーのメインビジュアル
製品
車載用イメージセンサー

車載LiDAR用
SPAD ToF方式距離センサー

車載LiDARの検知・認識性能を進化させ、
安心・安全なモビリティ社会の実現と未来に貢献

*) 2023年より量産予定

概要

先進運転支援システム(ADAS)の普及や自動運転(AD)の実現に向けて、道路状況や、車両、歩行者など対象物の位置や形状を、高精度で検知・認識が可能な車載LiDAR(Light Detection and Ranging/光による検知と測距)の重要性が高まっています。

SPAD(Single Photon Avalanche Diode)とは、入射した1つの光子(フォトン)から、電子を増幅させる「アバランシェ増倍」を利用する画素構造で、弱い光でも検出できることが特長です。これを光源から発せられ、対象物で反射した光が、イメージセンサーに届くまでの光の飛行時間(時間差)を検出して対象物までの距離を測定するSPAD ToF方式距離センサー方式の受光素子として用いることで、長距離かつ高精度な距離測定を可能にしました。

本製品は、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社がCMOSイメージセンサー開発で培ってきた裏面照射型、積層型、Cu-Cu(カッパー・カッパー)接続*1などの技術を活用することで、SPAD画素と測距処理回路を1チップ化し、小型ながら高解像度を実現。これにより最大300mの距離を15cm間隔で*2、高精度かつ高速に測定可能にしました。また、さまざまな温度環境や天候など、車載用途に求められる厳しい条件下での信頼性向上や、1チップ化することによるLiDARの低コスト化にも貢献します。

*1) 画素チップ(上部)とロジックチップ(下部)を積層する際に、Cu(銅)のパッド同士を接続することで電気的導通を図る技術。画素領域の外周の貫通電極により、上下のチップを接続するTSV(シリコン貫通電極)に比べて、設計自由度や生産性の向上、小型化、高性能化などが可能。
*2) 高さ1m、反射率10%の対象物を、昼間曇天下に6画素(H)×6画素(V)加算モードで測定する場合。

動画のテキスト版

特長

10μm角のSPAD画素と測距処理回路の積層構造による、高精度かつ高速な測距性能

本製品は、裏面照射型のSPAD画素を用いた画素チップ(上部)と、測距処理回路などを搭載したロジックチップ(下部)を、Cu-Cu接続を用いて積層し、一画素ごとに導通しています。画素部の下に回路部を配置することで、10μm角の微細な画素サイズながら開口率*3を維持できることに加え、光の入射面に凹凸を設けることで入射光を回折させて吸収率を高めています。これにより、車載LiDARのレーザー光源として広く普及している905nmの波長に対して、24%の高い光子検出効率を実現しています。例えば遠方にある反射率の低い対象物でも、高い解像度と距離分解能で検知することができます。また、画素ごとにCu-Cu接続した回路部に、アクティブ・リチャージ回路を搭載し、一光子あたりの応答速度(Dead Time)を高めています。
この独自の積層構造により、遠距離から近距離までを、15cm間隔で高精度かつ高速に測距することが可能になり、車載LiDARの検知・認識性能の向上に貢献します。

*3) 1画素当たりに光入射面側からみた開口部分(遮光部以外)の割合。

SPAD ToF方式距離センサーの積層構造イメージ図

SPAD ToF方式距離センサーの積層構造イメージ
(上部:SPAD画素、下部:測距処理回路)

SPAD ToF方式距離センサーを搭載したLiDARの撮像例

SPAD ToF方式距離センサーを搭載したLiDARの撮像例
(上部:ポイントクラウド、下部:距離強度画像)

車載用途に求められる機能安全規格に準拠し、LiDARの信頼性向上に貢献

自動車向け電子部品の信頼性試験基準「AEC-Q100」の「Grade2」を取得予定です。さらに、自動車向け機能安全規格「ISO 26262」に準拠した開発プロセスを導入し、故障検知、通知、制御などの機能安全要求レベル「ASIL-B(D)」に対応しています。これにより、LiDARの信頼性向上に貢献します。

direct Time of Flight方式(dToF)とは

測距方式のひとつで、光源から発し対象物で反射した光が、センサーに届くまでの光の飛行時間(時間差)を検出し、対象物までの距離を測定する方式です。

dToF方式のイメージ図

SPAD(Single Photon Avalanche Diode) 画素の原理

dToF方式を用いた測距センサーでは、単一光子の検出を行うSPAD画素が用いられます。SPAD画素内の電極にブレークダウン電圧(VBD)*4を印加し、その電圧を超える過剰エクセスバイアス電圧(VEX)*5に設定した状態で光子を入射させることで、光電変換により発生した電子がアバランシェ増倍によって増幅します。その後、電極間の電圧がブレークダウン電圧まで低くなると、アバランシェ増倍は停止します。アバランシェ増倍により発生した電子が放電され、ブレークダウン電圧まで戻った後(クエンチング動作)、再び電極間の電圧を過剰エクセスバイアス電圧に設定すると、光子が検出できる状態に戻ります(リチャージ動作)。このように、光子の到来時刻を開始点とする電子の増倍動作は、ガイガーモードと呼ばれます。

*4) アバランシェ増倍が発生し始める電圧。
*5) ブレークダウン電圧(VBD)を超える電圧。

SPAD画素の原理のイメージ図
アバランシェ倍増のイメージ図

製品ラインアップ

Product Resolution Image Size
[Type]
Pixel Size
V=H[μm]
Dead Time
[ns]
PDE
(Photon Detection Efficiency) [%]
I/F
IMX459 100K 1/2.9 10.08 TBD 24 λ=905nm MIPI
CSI-2

スペック

Product Specifications
Model name IMX459
Number of effective pixels 597(H) x 168(V) 100K SPAD pixels
Element size 3(H) x 3(V) SPAD pixels
Image size Diagonal 6.25mm (Type 1/2.9)
Unit cell size 10.08µm(H) x 10.08µm(V)
Substrate material Silicon

技術

ToF(Time of Flight)

この製品に搭載されているToF(Time of Flight)の技術情報はこちらです。

関連コンテンツ

お問い合わせ

ソニーセミコンダクタソリューションズグループおよび製品・サービスに関するお問い合わせ、仕様書、見積り/購入のご依頼などは、以下のボタンより専用フォームにてご連絡ください。