ニュースリリース

  • ホーム
  • ニュースリリース
  • 業界初※1、撮像画像における全画素出力と特定領域の高速出力を同時に実現する
    セキュリティカメラ用CMOSイメージセンサーを商品化

報道資料
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
検索日と情報が異なる可能性がございますので、 あらかじめご了承ください。

2022年07月20日

業界初※1、撮像画像における全画素出力と特定領域の高速出力を同時に実現する
セキュリティカメラ用CMOSイメージセンサーを商品化

ソニーセミコンダクタソリューションズ(株)

※1: セキュリティカメラ用CMOSイメージセンサーとして(2022年7月20日広報発表時)。

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社は、撮像画像の全画角出力と特定領域の高速出力を同時に実現する1/3型有効約512万画素※2のCMOSイメージセンサー『IMX675』をセキュリティカメラ用に商品化します。

本製品は、撮像画像の全画素を毎秒最大40フレームで出力すると同時に、任意に設定できる特定領域の高速出力が可能な『Dual Speed Streaming』機能を搭載した業界初※1となるイメージセンサーです。これにより、本イメージセンサーを搭載した一台のカメラで、情景の全体像に加えて、詳細な情報を捉えたい対象物を高速に認識することができます。
また独自の積層構造により従来比※3約30%の消費電力削減を実現し、高感度と広いダイナミックレンジを実現する独自技術“STARVIS™ 2(スタービス ツー)”を採用しています。
使用条件や時間帯を問わない高機能かつ高画質な撮影を実現し、安全・安心な社会に貢献します。
※2: イメージセンサーの有効画素規定方法に基づく。
※3: 当社の1/3型有効約512万画素CMOSイメージセンサー『IMX335』との比較。

CMOSイメージセンサー『IMX675』

型名 サンプル出荷時期
(予定)
サンプル価格
(税込)*
1/3型(対角6.53mm)有効約512万画素※2
CMOSイメージセンサー『IMX675』
2022年8月 1,518円**
*: 日本円への換算は、2022年7月14日の米ドル為替レートをもとに算出。
**: 量産品の価格は、取扱数量などにより変わります。

セキュリティカメラは、活用される場面ごとに要求仕様が異なります。一方で、システムコスト低減の観点から、カメラの設置台数を抑える必要があります。
本製品は、独自技術である『Dual Speed Streaming』により、全画角と特定領域を異なるフレームレートで同時に出力できるため、情景の全体像を捉えつつ、高速で動作する対象物を正確に認識することが一台のカメラで可能になります。これによりシステムコストの低減にも繋がります。例えば、交差点の全体像と移動する車・人の認識や、高速道路の全体像と走行する車両のナンバープレート表記の認識などの場面にも活用できます。
また、独自のデバイス構造により従来比※3約30%の消費電力削減、さらには高感度に加えて広いダイナミックレンジを実現した“STARVIS 2”技術を採用することで、単露光方式として従来比※3約2.5倍となる、78dBのダイナミックレンジを実現しています。本製品は、セキュリティカメラの他にも、昨今需要が高まっているドライブレコーダー、ウェブカメラなどにも活用が期待できます。

<主な特長>

■撮像画像の全画素出力と、特定領域の高速出力を同時に実現する『Dual Speed Streaming』機能搭載

本イメージセンサーは、独自の読み出し回路により、全画素を毎秒最大40フレームで読み出すと同時に、特定の領域を高フレームレートで読み出す『Dual Speed Streaming』機能を搭載した業界初※1の製品です。特定領域は、縦方向の任意の領域とそれに応じたフレームレートを指定することが可能です。目的に応じて、必要な領域のみを高速に読み出すことで、全画素を読み出す従来方式よりもデータ量を削減する使い方もでき、後段のカメラシステムの負荷軽減に繋がります。

<フレームレートと縦方向の領域の設定例>

  • 【例①】
    全画素:40fps
    縦方向(12.5%):320fps
  • 【例②】
    全画素:20fps
    縦方向(25%):80fps
    データサイズは①より50%減
  • 【例③】
    全画素:10fps
    縦方向(12.5%):320fps
    データサイズは①より37.5%減

■消費電力を従来比※330%削減

本製品は、画素部と回路部をCu-Cu接続※4で積層することで、高速な信号処理回路を最適なレイアウトで複数配置しています。これにより消費電力を従来比※3で約30%の大幅削減に成功しました。セキュリティカメラは常時稼働させるケースが多く、電力消費によるコストや環境負荷、カメラの発熱などが課題となります。カメラシステムの放熱部品点数の削減、それによるシステム全体としてのコストダウンおよび環境負荷軽減に貢献します。
※4: 画素チップ(上部)とロジックチップ(下部)を積層する際に、Cu(銅)のパッド同士を接続することで電気的導通を図る技術。画素領域の外周の貫通電極により上下のチップを接続するTSV(シリコン貫通電極)に比べて、設計自由度や生産性の向上、小型化、高性能化などが可能。

■単露光方式で従来比※3約2.5倍の広いダイナミックレンジを実現

本製品は、独自のプロセス技術により、画素サイズの制約がある中でも受光部の面積を広くすることで、広いダイナミックレンジを実現する技術“STARVIS 2”を採用した1/3型512万画素イメージセンサーです。これにより、撮影時のアーティファクトを低減する単露光方式において、従来比※3約2.5倍となる78dBの広いダイナミックレンジを実現し、高精度なモニタリングに繋がります。

■近赤外領域における感度向上により、暗所での高画質な撮像を実現

受光部の光の入射面に凹凸を設けることで入射光を回折させて、非可視光である近赤外光の吸収率を高める独自のデバイス構造を採用することで、近赤外領域における感度を従来比※3約2.5倍に高めています。これにより、夜間などの暗いシーンでよく利用される近赤外撮影においても、高画質な撮影が可能です。
セキュリティカメラ用CMOSイメージセンサーの詳細については、以下のサイトをご覧ください。
<主な仕様>
型名 IMX675
有効画素数 2608 (H) × 1964 (V) 約512万画素
イメージサイズ 対角 6.53 mm (1/2.8型)
ユニットセルサイズ 2.0μm(H)×2.0μm(V)
フレームレート 全画素 10bit 80fps、12bit 60fps
感度 14840 Digit/lx/s
センサー飽和信号量(最小値) 3895 Digit
電源電圧 アナログ 3.3V
デジタル 1.1V
インターフェース 1.8V
主な機能 Dual Speed Streaming, Clear HDR,
DOL HDR
出力 MIPI D-PHY 2/4 lanes
カラーフィルター配列 Bayer配列
パッケージ セラミックLGA 12.0mm×9.3mm

※ STARVIS 2 およびは、ソニーグループ株式会社またはその関連会社の登録商標または商標です。

以上

お問い合わせ

ソニーセミコンダクタソリューションズグループおよび製品・サービスに関するお問い合わせ、仕様書、見積り/購入のご依頼などは、以下のボタンより専用フォームにてご連絡ください。