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    モバイル用CMOSイメージセンサーを商品化
    ~ズーム使用時にもハイダイナミックレンジを維持した高画質撮像を実現~
2025年06月26日

明部から暗部まで明暗差の大きなシーンでの高画質撮影を進化させた
モバイル用CMOSイメージセンサーを商品化
~ズーム使用時にもハイダイナミックレンジを維持した高画質撮像を実現~

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下「SSS」)は、明部の白飛びや暗部の黒つぶれとノイズを大幅に抑え、100dB以上の広いダイナミックレンジを有する有効約5,000万画素1CMOSイメージセンサー『LYT-828』を6月に商品化しました。本製品は、当社製モバイル用イメージセンサーの新しいプロダクトブランドとして導入した「LYTIA」のもとに展開します。

CMOSイメージセンサー『LYT-828』



型名量産出荷時期

1/1.28型(対角12.49 mm)有効約5,000画素1
積層型CMOSイメージセンサー『LYT-828

2025年8月下旬

本モデルは、『LYT-818』の後継機種にあたる、主にスマートフォンのメインカメラおよびサブカメラに向けた1/1.28製品です。『LYT-818』の基本性能を継承しつつ、今回新開発のHDR技術「Hybrid Frame-HDR (HF-HDR)」を搭載し、さらなる高画質撮像を実現しています。この「HF-HDR」は複数のHDR機能を融合することにより実現した技術です。ひとつは、従来製品に搭載の「Dual Conversion Gain」を活用したシングルフレームHDR技術です。もう一つはDCGのデータに、短時間露光フレームを後段のアプリケーションプロセッサーにて合成することで実現するマルチフレームHDR技術です。これらのHDR機能の融合により、当社製モバイル用CMOSイメージセンサーにおいて最高2となる100B以上のダイナミックレンジ性能を達成しました。これにより、明暗差の大きなシーンの撮影において暗部の黒つぶれのみならず、明部の白飛びも大幅に抑え、肉眼で見る光景により近い撮像を可能とします。さらに露光制御の自由度を上げるLoss Less Exposure (LLE)」技術を組み合わせることにより、光の利用効率を向上させ、SNRSignal to Noise Ratio)を改善しています。また、「HF-HDR」技術は、ズーム使用時でもHDR機能を維持し、高画質な撮像を可能にします。

さらに『LYT-828』は、フォトダイオードで生成された電荷を、高効率で電圧に変換可能な独自回路を搭載することで、ランダムノイズの発生を大幅に抑えます。これにより、暗い撮影環境下でもノイズによるざらつきを抑え、繊細な表現を可能にします。また、ロジック回路を中心にセンサーの低消費電力化を図ることで、プレビューや動画記録時などにおいてHDR機能の常時使用を可能にしました。これにより、スマートフォンのプレビューで確認したHDR画質をそのままに記録することが可能となります。 

1: イメージセンサーの有効画素規定方法に基づく。
2: 2025626日広報発表時。


<主な特長>
100dB以上のダイナミックレンジ性能を実現する新HDR技術
HF-HDR」は、「Dual Conversion Gain」を活用し、異なるゲイン設定で読みだしたデータを合成するシングルフレームHDR技術と、このDCGデータに、短時間露光で撮像したフレームを後段のアプリケーションプロセッサーにて合成する新たなHDR技術です。この「HF-HDR」技術の搭載により、従来のHDR技術からダイナミックレンジを大幅に向上させ、100dB以上となるダイナミックレンジ性能を実現しています。さらに、露光制御の自由度を上げる「LLE」技術により、SNRを改善します。また、「HF-HDR」技術は、ズーム使用時でもフル解像度に切り替えることでダイナミックレンジを維持できるため、明暗差の大きなシーンにおいても高画質な撮像を可能にします。

2倍ズーム時の画質比較(LYT-828で撮影)

Dual Conversion Gain-HDR (DCG-HDR)

Hybrid Frame-HDR (HF-HDR)

■低照度時のランダムノイズを大幅に低減し、鮮明な被写体撮像を可能にする UHCGUltra High Conversion Gain)回路技術
UHCGは、電荷から電圧への高い変換効率を実現する回路技術で、暗い環境下での撮影時に発生するランダムノイズによるざらつきを低減しますこれにより、暗所撮影時の再現性を改善し、センサーが持つ色の階調表現の能力が向上します。

■低消費電力化により、HDR機能の常時使用が可能
一般的に、スマートフォン画面上でHDRのプレビュー映像を表示すると、消費電力が増加し、スマートフォンの本体が熱を持ってしまうなどの懸念が想定されるため、プレビュー映像をHDR画質で表示しない場合があります。本製品は、ロジック回路を中心に低消費電力化を図ることで、HDR機能を常時使用することを可能にしました。これにより、撮像画像のプレビューをHDR画質で確認でき、さらに見たままのHDR画質で記録が可能となるため、撮影体験の向上に貢献します。

 

<主な仕様>
型名

LYT-828

イメージサイズ

1/1.28型 (対角12.49 mm)

有効画素数

約 5,000万画素

ユニットセルサイズ

1.22 μm(H)×1.22 μm(V)

カラーフィルター

Quad Bayer Coding

フレームレート全画素 (4:3)

30 fps (全画素 AF)

12.5 Megapixels (4:3)

120 fps (全画素 AF)

4K2K

120 fps (全画素 AF)

12.5 Megapixels (Multi Frame-HDR)

60 fps (2 Digital Over Lap、全画素 AF)

12.5 Megapixels (Single Frame-HDR)

60 fps (DCG-HDR、全画素AF)
30 fps (UHCG with 3HDR、全画素AF)

4K2K (Multi/Single Frame-HDR)

60 fps (HF-HDR with LLE 6% AF、DCG-HDR全画素AF)

電源電圧

アナログ

2.8 v/1.8 v

デジタル

0.81 v

インターフェース

1.8 v or 1.2 v

出力インターフェース

MIPI® C-PHY 2/3 trio, Max. 6.0 Gsps/trio
MIPI D-PHY 2/4 lane, Max. 2.5 Gbps/lane



当社製モバイル用イメージセンサーのプロダクトブランド「LYTIA」については、以下のブランドサイトにて確認いただけます。

LYTIA」 ブランドサイト
https://www.sony-semicon.com/ja/products/is/mobile/index.html

* “LYTIA”およびそのロゴはソニーグループ株式会社の登録商標または商標です。
* 本プレスリリース上の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

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