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    東京農工大学による研究成果の世界記録達成に貢献
2023年03月10日

「Sensing Solution 大学連携プログラム」のセンサーカメラキットが、
東京農工大学による研究成果の世界記録達成に貢献

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)は、大学の研究者や教育者を中心とした多様な連携による「Sensing Solution大学連携プログラム」(以下、SSUP)に、2019年より取り組んでいます。このたび、SSUPが東京農工大学の中山研究室(中山悠准教授)に貸与したセンサーカメラキット「Dual Camera Kit」(図1)が、同研究室による「光カメラ通信のエラーレス伝送」に関する研究成果の世界記録達成に貢献しました。

図1 本研究グループで用いられたSSSの「Dual Camera Kit」

東京農工大学による本研究の成果についての発表はこちら

光カメラ通信の背景と今回の世界記録達成について

送信機にLEDやディスプレイのような光源を、受信機にカメラを用いた可視光通信である光カメラ通信(OCC: Optical Camera Communication)は、カメラで撮影した動画像中の光のRGB値などから信号を復調・受信する仕組みです。使用する色数(変調多値数)を多くするほど高速な情報伝達が可能になる一方で、受信側での色の識別が困難になる、というトレードオフがあります。
市販の多くのカメラでは各種補正機能がついており、出力画像において入力時と光色のズレが発生し、実際の色の認識が困難になるため受信機に正確な情報が伝わらないという課題がありました(図2上)。

今回の研究に用いられたSSUPからの貸与機器である「Dual Camera Kit」は、イメージセンサーからのRAWデータ(信号処理を全く行わないデータ)を取得することができるため、補正機能を用いないことで光色のズレを発生させないという特長があります(図2下)。

図2 市販の多くのカメラの場合(上)と「Dual Camera Kit」の場合(下)の送信から受信までの流れ

同研究室は、「Dual Camera Kit」の特長を活かし、512色での4mエラーレス伝送に成功しました。
この結果は、実験的には32色による数十cm程度の伝送が最高だった従来の記録を大幅に更新するもので、世界記録となりました(図3)。

図3 「Dual Camera Kit」を用いた変調多値数と距離の関係とこれまでの記録

この研究開発により、デジタルデータを重畳させたサイネージによる広告配信サービスなどの展開が見込まれます。また、非常に安価なLEDを送信機として用いる特長から、環境センシングへの活用によるスマート農業やカーボンクレジットの枠組みへの貢献が期待されています。

SSUPの活動概要

SSUPは、産学連携の取り組みとして、大学の研究者や教育者の方々を中心に多様な連携を拡げながら、驚きに満ちたソリューション創出に挑戦しています。具体的には、SSSのSensing Solution向け機材を利用した共同研究プログラムや研究支援プログラム(機材提供)の実施、そして共創促進・教育支援の関連活動を行っています。共同研究・研究支援プログラムでは、既に国内外40以上の研究室が弊社の機材を使った研究を進めています。

今回、同研究室の研究向けに貸与した「Dual Camera Kit」は、これまで17の研究室で用いられており、他にもコンピュータビジョン分野などで多様なご研究にご活用いただいています。

SSUPの詳細についてはこちら

SSUPへの参加について

SSUPでは、今後も産学連携による共創により研究成果に資すると共に、Sensing Solution活用可能性を拡げていきたいと考えています。
ご興味のある方は、下記リンクよりお問い合わせください。

SSUPお問い合わせはこちら

※2023年3月10日現在、東京農工大学調べ

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