顧客事例
産業用イメージセンサー

QHYCCD社 天体カメラで宇宙の謎に挑む2つのプロジェクト

用途:天体観測
企業名:QHYCCD

天文学の研究において、より精密で広範囲な天体観測が求められています。しかし、地上からの観測には大気の揺らぎや天候による制約があり、また単一の大型望遠鏡では観測できる範囲や集光力に限界がありました。

こうした課題を解決するため、まったく異なるアプローチで宇宙観測に挑む2つのプロジェクトをご紹介します。ひとつは大気の影響をほとんど受けない成層圏からの観測を実現する「SuperBIT」、もうひとつは地上から広大な天空領域を同時観測する「LAST」システムです。

これらの革新的なプロジェクトに共通するのは、ソニーの6117万画素フルサイズイメージセンサーIMX455を搭載したQHYCCD社のカメラシステムを中核技術として採用している点です。優れた解像度と高感度・低ノイズ性能を兼ね備えたIMX455は、微弱な天体光の検出から一過性の天文現象の観測まで多様なニーズに対応し、宇宙の謎の解明に貢献しています。

宇宙のイメージ画像

QHYCCD社について

QHYCCD社は天体観測および科学研究用カメラの製造開発を手掛ける国際的なメーカーです。アマチュア向けから研究用途まで、幅広いラインアップのCMOSおよびCCDカメラを展開しています。また、大規模な天文学プロジェクト向けにカスタマイズされたカメラやオーダーメイドのソリューションも提供しています。

事例1:SuperBIT - 成層圏からの高精細宇宙観測

SuperBIT(Super Pressure Balloon-Borne Imaging Telescope:超高圧気球搭載型撮像望遠鏡)は、トロント大学、プリンストン大学、ダラム大学、およびNASAが共同開発した革新的な天文学研究プロジェクトです。このプロジェクトの特徴は、口径0.5メートルの望遠鏡を、サッカー場がすっぽりと収まるほど巨大なNASAの超高圧気球に搭載している点にあります。高度約33kmの成層圏を浮遊し、大気の99%よりも上空から観測可能なため、地上で問題となる大気干渉の影響を受けずに宇宙を撮像することができます。

SuperBITに搭載されているQHYCCD社の天体カメラは、IMX455を採用しています。このカメラシステムにより、ハッブル宇宙望遠鏡のような宇宙望遠鏡に匹敵する解像度を維持しつつ、より広い視野での撮影を可能にしました。

SuperBITの主要ミッションは、銀河団と重力レンズ効果を精密に観測し、目に見えないが質量を持つダークマターの分布をマッピングすることです。これにより、宇宙の質量の約85%を占めるとされるダークマターの特性解明に貢献しています。

QHYCCD社 QHY600Proの製品写真
QHYCCD社 ソニー製イメージセンサー搭載カメラ:
QHY600Pro
SuperBITを搭載したNASAの超高圧気球の写真
SuperBITを搭載したNASAの超高圧気球
出典:NASA and Bill Rodman
SuperBITによって撮影されたタランチュラ星雲の写真
SuperBITによって撮影されたタランチュラ星雲
モノクロカメラにRGBのフィルターを1枚ずつ重ね合わせて撮影
出典: SuperBIT Team

事例2:LAST - 地上からの広域天空観測システム

LAST(Large Array Survey Telescope:大規模アレイ探査望遠鏡)は、夜空の変化を迅速かつ継続的に観測するために設計された、コスト効率の高い広視野望遠鏡アレイシステムです。全48台の望遠鏡で構成されたこのシステムは、各望遠鏡が7.4平方度をカバーし、合計で355平方度という広大な天空領域を29億画素で観測することができます。これは口径1.9メートルの単一望遠鏡の集光力に匹敵します。

LASTで使用されているQHY600PHカメラには、IMX455が搭載されています。16ビットの読み出しモードによる広いダイナミックレンジと、複数のゲイン設定および読み出しノイズ設定により、さまざまな観測条件に対応可能です。また、ローリングシャッター設計により最小限のデッドタイムでの連続読み出しを実現し、0.8秒の短時間露光にも対応できるため一過性の天文現象の観測に最適です。

LASTシステムは、わずか20秒の露光で19.6等級の非常に微かな天体を検出でき、画像を合成することで最大21.0等級まで検出能力を高めます。また1.25秒角/ピクセルのピクセルスケールにより、低照度環境での高解像度・低ノイズ撮像を実現しています。

LASTシステムの写真
LASTと夜空の写真
Large Array Survey Telescope (LAST)
LASTによって撮影された球状星団の写真
LASTによって撮影された球状星団

出典:Weizmann Astrophysical Observatory, Kibbutz Neot Smadar, Israel

IMX455が選ばれた理由

  1. 高解像度:精密な天体観測を可能にする高画素数
  2. 高感度・低ノイズ性能:微弱な天体光の検出に不可欠な特性
  3. 広いダイナミックレンジ:さまざまな明るさの天体を同時にとらえる能力

両プロジェクトは、異なるアプローチながらもIMX455の優れた特性を最大限に活用しています。
IMX455は、約6117万画素フルサイズCMOSイメージセンサーです。裏面照射構造により、高感度と低ノイズ性能を実現しています。また、高分解能な16ビットのA/Dコンバーターを搭載しており、暗部から明部まで豊富な階調表現が可能です。

ソニーのイメージセンサーは、高度な科学研究に求められる精密さと信頼性を提供し、宇宙の謎を解き明かす天文学の発展に大きく貢献しています。

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