概要
自動車による移動の安全性向上、輸送における環境負荷の軽減、移動自由度の向上などサステナブルな移動社会の実現に向け、自動車の高度化・自動化が進展しています。同時に、これまでドライバーが行っていた周辺の状況確認や障害物の有無の把握、加えて車室内の状態把握を車載システムが行うための「自動車の眼」となるセンサーが自動車にとって欠かせぬ存在になっています。
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)は、イメージング&センシングソリューションのリーディングカンパニーとして、安全でサステナブルな移動を実現する社会に向けて車載センサーや関連ソリューションの開発や商品化に注力しています。
活用事例
先進運転支援システム(ADAS/Advanced Driving Assistant System)
先進運転支援システム(ADAS)とは、自動車による衝突事故の未然防止のための自動ブレーキやドライバーの運転操作を支援する車線逸脱防止支援や駐車支援などの機能の総称です。先進運転支援システムは、シートベルトやエアバッグのように衝突が発生した際の被害を軽減する目的の機能とは異なり、事故を未然に防ぐことを目的としています。
昨今の自動車には先進運転支援システムが標準装備として搭載され、年々、その機能の充実化や能力の高度化が進んでいます。先進運転支援システムの実現や性能向上に欠かすことができない部品がイメージセンサー、LiDAR、ミリ波レーダーと呼ばれる車載センサーです。これらのセンサーによって先進運転支援システムが車両周辺の状況やドライバーの状態を把握することで、運転操作の制御やドライバーに対する警告につなげることができます。
SSSの車載用イメージセンサーや車載LiDAR用SPAD ToF方式距離センサーは、先進運転支援システムの構成部品として利用することで、精度の高い周辺・車内の状況確認を提供し、自動車の事故防止に寄与します。
自動運転(Automated Driving)
自動運転とは、ドライバーが行っている「認知」「判断」「操作」といった行為を機械(自動運転システム)が実行するものです。
周囲の交通状況や道路環境によって自動運転システムに必要とされる技術が異なることから、レベル0~レベル5の6段階に自動化のレベルが分類されています。運転制限の無いレベル5(完全自動運転)が実現するのはまだ先の未来になりますが、特定条件の下で周辺の状況確認や操作をシステムが実行するレベル3(条件付き自動運転)やレベル4(高度自動運転)は実用の段階にあります。
自動運転車の普及が進むことで、交通事故の削減、交通渋滞の緩和、温室効果ガス排出などの環境負荷の低減、更にそれらによる経済的損失の軽減、移動コストの低減、運転手を含む人手不足の解消、交通弱者に対する移動手段の提供といったサステナブルな社会づくりに欠かせない社会課題解決型の価値につながると共に、リスクを伴うドライバーの長時間運転からの解放、移動時の時間を運転以外に使うことで移動時間の有効活用が可能になるなど、移動の多様化も進めていくことができます。
高度な自動運転システムを実現するためには、障害物や他車などの車外環境を正しく把握するための性能を持つセンサーの搭載が欠かせません。SSSでは、サステナブルな社会づくりに寄与する自動運転の社会実装を加速させていくため、高い認知能力と安全性を提供するセンシングソリューションを開発しています。
駐車支援システム
ボタン操作一つで自動的に駐車制御を行うなど、ドライバーによる駐車の操作を周辺環境認識や車両制御の観点で支援するシステムが駐車支援システムです。自動車に搭載されたセンサーによって車両周辺の状態を把握し、システムが駐車に必要な操作を自動で行います。ドライバーにとっては大きな負担となる狭いスペースでの駐車、道路上の縦列駐車といった環境での切り返し動作やそれを同時に行う周辺の状況確認の負荷が軽減され、衝突事故の防止だけでなく、駐車に要する時間を減らすことも可能になります。
近年では、スマートフォンとの連携等によるユーザビリティが高まっており、今後の自動化の進展によって駐車場所からドライバーのいる場所まで車両を呼び寄せる機能やドライバーが降車した位置から事前に定められた位置まで自動的に移動して駐車する機能の実現なども期待されています。
駐車支援システムには、駐車スペースや周辺障害物の把握のためのセンシング技術が欠かせません。SSSのセンシングソリューションを搭載、活用することにより、駐車におけるドライバーの負荷軽減や衝突事故防止といった駐車の利便や安全性を向上させることができます。
ドライバーモニタリング
ドライバーのわき見や注意散漫、居眠り等を認識し、その状況に応じてドライバーに警告を行うこと、加えて自動的に車両を減速・停車させる等の制御を行うことで自動車の事故を軽減することが可能です。
そのためにシステムがドライバーの状態を確認する機能がドライバーモニタリングです。確認の手法はさまざまですが、ドライバーの視線、顔の向き、着座位置、運転姿勢を認識するセンサーは有効なソリューションとして特に期待されています。
SSSのToF方式距離画像センサーは、顔の向きや姿勢だけでなく、ドライバーの頭や手足の動きなどを細かくトラッキングすることが可能であり、精度の高い状況確認の実現に寄与します。それによりドライバーの居眠り防止や安全走行に貢献することができます。
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