概要
半導体は、家電製品から社会インフラに至るまで、さまざまなエレクトロニクス製品に活用されており、その性能は日々進化を遂げています。半導体の製造工程は、厳しい品質管理のもとに成り立っています。各プロセスにおける品質検査は、単に製造品質の保証だけではなく、製造装置ごとの生産性にも大きく影響します。半導体の製造装置の生産性を向上させるためには画像検査のスピードアップが必要です。そのためのプロセスルールの微細化も年々進んでいるため、マシンビジョンのキーデバイスであるイメージセンサーの性能向上に対する期待がますます高まっています。
活用事例
欠陥検査
半導体製造においては、ウェーハの製造プロセスやフォトマスク製造プロセスで発生する微小な異物やパターン欠陥を検出するため、精密な検査が行われています。UVは波長が短く、わずかな凹凸に対しても光が散乱するため、UVイメージセンサーを用いることで、ウェーハ表面の微細な欠陥を検知することができます。ソニーのUVイメージセンサーIMX487は高精細でありながら、高感度・低ノイズ性能を兼ね備えているため、高精度な検査が可能です。
一方、ウェーハの内部にある異物や欠陥は、SWIRイメージセンサーを使うことで、ウェーハを透過して確認することができます。特に、IMX992, IMX993はSWIRイメージセンサーとしては業界最高クラスの解像度*1をもつため、より微細な欠陥検査に活用したり、一度の撮影でより広範囲を効率的に検査することが可能です。
*1) 化合物半導体のInGaAs(インジウム・ガリウム・ヒ素)を用いたSWIRイメージセンサーにおいて、ソニー調べ(2023年11月現在)
位置合わせ
高性能な半導体製造の現場ではウェーハとウェーハを接合するプロセスがあります。デバイスの微細化に伴い、ウェーハ同士の位置合わせ精度の要求が高まっています。SWIRイメージセンサーを使えば、ウェーハのSi(シリコン)部分を透過し、位置合わせ用のマークを鮮明に確認できます。加えて画質が高精細であるため、高い精度でエッジを検出し、正確な位置合わせが可能です。
ソニーのSWIRイメージセンサーは、高精細な画像を提供するため、正確な位置合わせの実現に貢献します。 特に高い精度が求められる場合には、約532万画素のIMX992をご活用ください。アライメントマークのエッジを高精度に検出し、位置合わせの精度を向上させます。
グローバルシャッタ―方式イメージセンサーも、高精細な性能を生かし、位置合わせに使われています。TAT(Turn Around Time)の短縮と、高解像度による精度向上と、信頼性に対して、高い評価も得ています。
ワイヤーボンディング
半導体製品を製造する主要工法にワイヤーボンディング工程があります。ワイヤーボンディング工程とは、半導体素子と基板を電気的に配線する工程です。数十μmの金属ワイヤー(ボンディングワイヤー)を用いて、半導体製品のコアであるシリコンチップと基板を配線します。製品によっては数百本のワイヤーを配線します。微細なボンディングの検査を正確に速く行うためには、高速・高解像度のグローバルシャッタ―方式イメージセンサーが適しています。
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