分 野
農業・畜産

農業・畜産

概要

農業・畜産の現場には、機械化が難しく手作業に頼らざるを得ない危険な作業や多くの重労働があります。農業においては、従事者が減少する中、一人当たりの作業面積をこれまで以上に大きくしていくことが求められていますが、トラクターの操作などの熟練者でなければできない作業も多く、人員増強の妨げとなっています。これは畜産の現場でも同様です。

そこで現在、ロボットやAI、IoTなど先端技術を活用することで、農業・畜産における課題を解決し、より作業効率を高めていこうとする取り組みが進んでいます。ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)の多彩なイメージセンサーやOLEDマイクロディスプレイなどは、そうしたシステムのキーデバイスとして重要な役割を担っています。

活用事例

青果の選別

青果の出荷前に行われる選別作業は人手のかかる作業ですが、機械化により飛躍的な効率化が期待できる領域でもあります。SWIRイメージセンサーは、物質に含まれている水分を検出することができるため、青果の大きさや形だけでなく、肉眼では見ることのできない、青果の表皮付近にたまった水分や傷も映し出すことができます。

青果の選別のイメージ画像

農地の観察

現在、農業の世界では上空からカメラで農地を撮影し、作物の育成状況を正確に把握することで、データに基づく限定的な追肥や収量予測ができるようになっています。しかし、撮影した映像の色情報だけで育成状況を判断するのは容易ではありません。ここに水分の有無を検出できるSWIRイメージセンサーを用いれば、水分量による育成状況や分布を可視化でき、判断の精度を大きく向上させることができます。

農地の観察のイメージ画像

肥料散布ドローン操縦向けグラス

田畑等への肥料散布作業としてドローンを用いるケースが増えています。ドローンを使うメリットは広範囲に均一かつ素早く肥料を散布できること。ドローンの視界を確認できるグラス(ヘッドマウントディスプレイ)には軽量、高画質が求められることから、OLEDマイクロディスプレイの採用が進んでいます。

肥料散布ドローン操縦向けグラスのイメージ画像1
肥料散布ドローン操縦向けグラスのイメージ画像2

畜産・農業における収穫の支援

三次元センサーであるToF方式距離画像センサーは、RGBセンサーでは捉えにくい奥行き情報を高精度で検知できるため、手作業に頼っていた乳牛の搾乳や、果実の摘果・収穫をロボットでおこなう際のキーデバイスとして活用されています。

また、家畜の体形や歩き方、消費される飼料量などのモニタリングにも適しており、品質管理・生産性向上にも貢献します。農業分野では、三次元モニタリングによる農機具の自動運転などに寄与します。

畜産・農業における収穫の支援のイメージ画像

家畜モニタリング

人口増加と食料不足などから、第一次産業の重要性が増しているにもかかわらず、産業人口は年々減ってきています。そうした中、これらの課題をIoTによるスマート農業によって解決して行こうという大きな流れがあります。

IoT用ボードコンピュータ SPRESENSE™のマルチ衛星を用いた測位機能、低消費電力常時センシング機能と、優れた演算性能によるAI処理との連携などを組み合わせることで、家畜の高度なモニタリングが可能になり、より安全で効率的な飼育が実現できます。

家畜などに装着するトラッカーは、小型軽量で堅牢であることに加え、高精度な測位と長いバッテリー寿命が求められます。SSSのGNSS受信LSIを使えば、条件を満たすGNSSデバイスを容易に実現可能です。トラッカーで家畜の行動をモニタリングすることで家畜の脱柵の防止・脱柵時の捜索に寄与できます。また家畜の行動を記録・分析することで牧場管理等に活用することができます。

畜産現場での超音波診断向けヘッドマウントディスプレイ

家畜の健康状態を調べる超音波診断作業において、ヘッドマウントディスプレイの有用性が注目を集めています。診断画像をヘッドマウントディスプレイに投影すれば、両手が自由に使えるようになるためです。こうしたヘッドマウントディスプレイでは小型で高コントラストな表示性能が求められるため、OLEDマイクロディスプレイが最適です。

畜産現場での超音波診断向けヘッドマウントディスプレイのイメージ画像

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